🌏パーマカルチャーはオーストラリア発祥
ニュージーランドのお隣の国、オーストラリアのタスマニア大学の教師 ビル・モリソン と、彼の教え子だった デビッド・ホルムグレン によって提唱されました。(1970年代)
「パーマカルチャー」という言葉は、
「パーマネント(永久的な)」 + 「アグリカルチャー(農業)」 の造語。
もともとは、「持続可能な農業」という意味で使われていましが、農業を持続可能にするには 伝統的な農法や暮らしの知恵が深く関わっていると気づき、パーマカルチャーの中には文化(カルチャー) もあることが認識されます。
そして、「農業だけじゃなく、環境や人のつながりも大切」
と気づいた彼らは、パーマカルチャーを 「暮らし全体のデザイン」 として進化させていきました。
ビルの没後も、デビッドはパーマカルチャーを環境に合わせてアップデートし、その彼の思想を引き継いだカースティン&ニック主催のMilkwoodは、デビッドが直々に監修をしている唯一の講座で、世界中にパーマカルチャーの思想が引き継がれています。
🌱 ニュージーランドパーマカルチャー
自然豊かでDIY(Do it yourself = 自分でやれ)の国 ニュージーランド。ニュージーランドがDIYの国になったのは、小さい島国ニュージーランドが海外から遠く離れた位置であること。
物が壊れた時に海外から部品を取り寄せるには時間が掛かりすぎる。自分で作っちゃった方が早い。という文化だったからこそ。
そして、先住民のマオリ族の自然を愛する文化は日本の昔ながらの暮らしと似ています。
その2つの文化とオーストラリアで生まれたパーマカルチャーが融合して、ニュージーランド式のパーマカルチャーの精神が発展していきます。
🌍 幸せの形は1つではない
それぞれの環境に合わせた 「自分なりのパーマカルチャー」 を見つけて、自分主体の幸せな暮らしができるように環境を創ります。
そして、そこから学んだことを周りと共有することで、その輪が広がり、その手法を受けた周りの人々がまた周りを幸せに導く…
自分にとっても、周りにとっても環境改善につながります。
虫も動物も植物も地球上全ての生命が繋がっています。自然の環境を整えることにより、地球が幸せな環境に包まれ、自分にも幸せが還ってきますね。その幸せが循環する思想がパーマカルチャーです。
『やりたいことをやる』だから、なんでも自分が好きなことをすればいいというのも少し危険な考えかもしれません。
まずは、自分を自然環境に置いて対話してみてください。
視覚(見る)、聴覚(聴く)、嗅覚(嗅ぐ)、味覚(味わう)、触覚(皮膚で感じる)の5感を研ぎ澄まして、自分の感覚を研ぎ澄ましましょう。
何が自分にとって重要なのか。他人の価値観や、広告やメディアなどによる情報に操作されてはいないか?
自分の未来、家族の幸せ、子供達の未来、地球環境、そんなことを想像してみてください。
🌏 パーマカルチャー3つの倫理
パーマカルチャー3つの倫理とは、パーマカルチャーの基盤となる3つのサークルです。
🔹 Earth Care(地球への配慮)
🔹 People Care(人への配慮)
🔹 Fair Share(余剰の共有)
地球への配慮、人への配慮は読んで字の如くですが、余剰の共有とはなんでしょうか?
この理解がとても重要で、パーマカルチャーをユニークなものにしていると私は考えます。
•収穫物を全部自分のものにするのではなく、周りにも分け与える
•自分だけが幸せになるのではなく、周りに手を貸してあげる。
Fair (公平)なShare(シェア“共有”)という意味です。
パーマカルチャーを理解する上で大事なことは、自然軸で考えるということ、自分が主体ということ、周りと共有することと私は理解しています。
この暮らしを叶える前に、1つ重要なことがあります。
それは、自分が幸福で満たされていなければ、周りに手を貸すことができないということ。
自分の暮らしがいっぱいいっぱいなのに、誰かの幸せを願うことは難しいですよね。
そして、自分に近い人(家族)が苦しんでいるのに、海を超えて手を貸してあげようというのはおかしな話です。
まずは自分。そして家族。そして友人…と幸せの輪を少しずつ広げていきましょう。
🌏 12の原則を暮らしに取り入れる
12の原則は文字上では、解釈がとても難しいものですが、行動を起こすことで理解が深まります。番号が振ってありますが、1-12そして1に戻る輪になっています。それでいて、どの番号もリンクしています。
12の原則を全て生活に取り入れることが理想ですが、まずは「1.観察し対話する」することだけでも構いません。自分の暮らしに合うことから始めて少しずつ広げて、いずれは全ての原則を生活に取り入れることを目指します。
🌳 1. 観察し対話する(Observe and Interact)
まずは自然をよく観察し、五感を使って環境と対話しながら学ぶ
☀️ 2. エネルギーを効率よく活用する(Catch and Store Energy)
太陽、風、水など、自然のエネルギーをうまく捉え、活かす
🍂 3. 収穫を得る(Obtain a Yield)
努力の成果を実感し、持続可能な仕組みの中で得られる恵みに感謝する
🔄 4. 自己規制し、フィードバックを受け入れる(Apply Self-Regulation and Accept Feedback)
自分の行動を振り返り、環境や社会からの時には辛い批評や結果も受け入れる
🍃 5. 自然のパターンを活用する(Use and Value Renewable Resources and Services)
森や川、風の流れなど、自然のリズムを活かしながら暮らしに取り入れる
🦋 6. 廃棄物を出さない(Produce No Waste)
ゴミを「不要なもの」ではなく「資源」と考え、無駄をなくす工夫をする
🐝 7. 全体をデザインし、細部に対応する(Design from Patterns to Details)
大きな目標のためには、小さな部分にも詳細に理解する
🛠 8. 統合し、分離しない(Integrate Rather Than Segregate)
単独で機能させるのではなく、異なる要素を組み合わせて相乗効果を生み出す
🌾 9. 小さくゆっくりとした解決策を取り入れる(Use Small and Slow Solutions)
急がず、少しずつの積み重ねが持続可能な成長につながる
🐓 10. 多様性を生かす(Use and Value Diversity)
さまざまな環境や視点を取り入れ、豊かで多様な関係性を築く
🌍 11. 周辺(エッジ)を活かし、価値を見出す(Use Edges and Value the Marginal)
一般的に見過ごされがちな場所や資源にも目を向け活用する
🤝 12. 変化を受け入れ、創造的に対応する(Creatively Use and Respond to Change)
環境や状況の変化を前向きに受け止め、新しいアイデアで適応する
🌏パーマカルチャーを理解する上での注意点
最後までパーマカルチャーについて、お読みくださりありがとうございます。
パーマカルチャーに出会ってから、ブログという媒体に行き着き発信に至るまで、5年の年月が掛かりました。
パーマカルチャーを頭で理解し、行動に起こし、学びを共有することは、自分の生活を省みると、現実の暮らしに嫌悪感を感じたり、自分の言葉や行動を発信することはとっても難しいと感じていました。
一人一人の幸せが違うように、パーマカルチャーの理解は人それぞれ少しずつ違います。それがとても難しいけど、自分が主体というのは気楽でもあります。
1つ確実に言えるのは、パーマカルチャーの幸福とは「自然軸」だということ。
この理解を深めることによって地球環境が改善する。今の生きることが難しい時代、パーマカルチャーの思想こそが、今の時代に必要で地球再生の希望だと私は確信しています。
とは言え、頭では理解していても、行動に移すことは現代社会の便宜上難しいことがたくさんあります。
例えば、ゴミを出してしまうこと。都合上、お金で解決してしまうこと。子供や夫との価値観の違い。
いつまで経っても、なりたい自分になれない葛藤
だけど、自己嫌悪や不安に駆られなくてもいいのです。
それこそが生きる上での学びであり、正直な想いを周りと共有して、解決策を探す。人との違いを理解して、自分の幸が何かを見つめる。そうやって、少しずつ自分も成長していきたいと思っています。
パーマカルチャーはオーストラリアの特徴を活かし英語版で解説されているため、ネット上の情報も少しずつ解釈が異なることがあります。年代や環境や人それぞれ幸せが違うように、解釈も少し違うものになっています。
このブログも私の主観的な解釈であることをご理解ください。✨🌏✨
by ニュージーランド発 パーマカルチャリスト マーシャルまりこ