ニュージーランド ホームスクール事情 | ニュージーランドで遊暮働学はじめました。

ニュージーランド オンラインホームスクール 体験記

ホームスクール

ニュージーランドから「遊・暮・働・学」を共有します、パーマカルチャリストのまりこです!

2024年、私たち家族は1年間の日本縦断しました。
今回の記事は、なぜ私たちが1年の帰国に踏み切ることができたのか?
ニュージーランドのホームスクール事情について、3部シリーズでお伝えしたいと思います。

きっかけは、高校生の娘の学校嫌い

きっかけは、高校生の娘が「学校にいきたくない」「ホームスクールがしたい」という言葉。
とはいえ、娘に対してイジメがあったというわけではありません。ただ、「学校がつまらないから」という理由です。

これは、2020年のコロナ禍で長期の学校閉鎖があったことや、少し咳をしただけでも学校に行かせられなくなったことが影響していると思います。要は、休み癖です…中二病です。

私たちも以前なら、有無も言わせず娘を学校に通わせたことでしょう。

しかし、コロナ禍が私たちの価値観を変えました。「当たり前が当たり前ではなくなる」ということを体感した私たちは、例え子供でも学校で「つまらない時間」を長時間も拘束させる意味はあるのかと、疑問に思うようになりました。

「やりたいことがあるなら、今やらなければいけない」

「未来を変えたいなら、今までと違うことをするべき」

そんなことも、SNSだったか何かで、目に留まりました。

パーマカルチャーでの学びも、「好きなことをする」という意識に私を変えてくれました。

コロナ禍が落ち着きを見せた頃、今度は全国の先生たちによるストライキが何回か行われました。先生すら学校に問題があると考えているのですから、子供達が学校に行きたくないという気持ちも分かります。

それから、コロナワクチンの強制接種や、その他の事情により、学校に通えなくなった子供達の多くが、オンラインスクールを選び、以前と比べるとオンラインスクールが身近になっていました

そのようなことが重なり、私たち家族は、学校に通うことに疑問を持つようになっていました。

ニュージーランドのスクール事情

これは、ニュージーランドの基本の学校形態です。ニュージーランドの学校は、5歳の誕生日を迎えたら、6歳になるまでに自分の都合で入学します。

区分 学年 年齢

目安

特徴
小学校(Primary) 小学0,1-6年生 5〜10歳 5歳の誕生日から入学が許可されるので、入学式がない。中学校まで一貫校もある

(当時、次女は8歳、小学校4年生。)

中学校(Intermediate)

Year 7-8
(中学1,2年生)

11〜12歳 2年制の中学校
高校(Secondary)

Year 9-13

(高校1-5年生)

13〜18歳 高校は5年間。(6年通える)
NCEAという全国的な試験がYear11から始まる。その結果により、将来に向けての選択科目に影響あり(当時、長女は15歳、高校2年生)

学校スケジュール

  • 4学期制

  • 各学期は約10週間、間に2週間の休み

  • 長期休暇(夏休み)は12月中旬〜2月上旬

  • 授業時間は9:00〜15:00

ほとんどホリデーばかりのゆとりあるスケジュールです。それでいて、宿題もありません。
長期の夏休みでも宿題がありません。

そんなゆとりある学校なのに、「学校に行きたくない」なんて、娘は何が不満なんだ??

 

海外でも受けられるTe Kura ホームスクール

ニュージーランドは、無料で政府認可のホームスクールがあります。(市民権保持、永住権保持のみ)

ホームページで調べてみると、TeKura
(英語サイトですが、Google翻訳でページ翻訳すると日本語になりますよ!)

入学資格

  • 地理的に遠隔地に住んでいる、または移動する家庭、海外在住

  • 心理的・社会的理由で学校に通えず、教育省から紹介された(不登校、非在籍、退学・除籍など)

  • 妊娠中または若い親

  • 児童福祉局からの紹介

  • エリートアスリート、ダンサー、音楽家、スポーツ選手、パフォーマーなどで通常の学校生活が困難

  • 16歳以上で高校資格取得に再挑戦したい

  • 距離や定員不足のために地元の教育施設に通えない

実に、さまざまな事情の子どもたちに向けて、プログラムが準備されています。
日本では、「不登校」の子供がホームスクールを選ぶというイメージですが、ニュージーランドでは、ホームスクールとは、「学校」の選択肢の1つです。

私たちは、「海外でも受講可能」という項目を見つけて、日本帰国の可能性を考えるようになりました。

長女はNCEA試験の年

高校生は、12年生(高校3年)になると、「NCEA」という全国共通の試験を受けることになります。この試験は、将来を決める重要な試験だと言われています。この試験の結果により、次の年の選択科目の可能性が増え、単位が足りないと上のレベルにいけません。

当時の長女は、このNCEAの試験を次の年に受けるというタイミングでした。

この重要な試験があるために、学校を休んで日本に遊びに行くことはできないと思っていました。学校のホリデーに合わせて2週間だけ帰国するか、クリスマスホリデーの飛行機の値段が高い時に帰国するかの2択です。

私たちは、7年も日本に帰っていなかったので、2週間ほどの短期間の里帰りでは短すぎます。

次女に至っては、2歳の時に日本に行ったっきりで、全く記憶にありません。

日本の私の両親にも、80歳近くになります。孫が、まだ小さいうちに会わせてあげたい。
両親はスマホやラインもないので、顔を見て話すこともできません。

この時は、日本行きの飛行機に乗る条件に、3回のコロナワクチン接種の証明を提示など、コロコロ変わる難しいルールもまだ残っていました。

でも、ためらっていたら、後悔する気がしました。また、再び突然国境封鎖があるかもしれません。

「ホームスクールも考えてみようかな…」と段々と心が動いていきました。

「行けるか分からないけど、少しずつ動いてみよう」

「とりあえず、できることから始めてみよう」

学校へ問い合わせ、1つ1つ手続きを進めていきました。

それが、のちのち大変なことに…

Te Kura入学手続きと現地校退学

Te Kuraに正式に登録するには、現地校を退学しなければなりません。政府からの助成金が二重になってしまうことを避けるためです。

次女が通う小学校の方は、先生と話し合いを持ち、しっかりと準備を進めることができました。

が、長女の高校は違いました。

高校は、基本的に生徒の面倒を見る場所ではありません。普段から、連絡をしても返事がなかなか来ないなんてことも多々あります。

しばらくして、スチューデントアシスタント(先生補佐)と連絡が取れたので、事情を話したところ、すんなりと理解していただき、私たちの決断を応援してくれました。

ただ、その後、そのお話をした先生が退職していたらしく、長女の退学手続きがされていませんでした。

私たちも帰国準備や手続きのために色々とバタバタしていたので、確認を怠っていました。

そして、年度末の終了日。娘が学校から帰ってきた後、学校から電話が掛かってきました。

「1年間、日本に行くって本当ですか?」

「…あっ 忘れてた」

ホームスクールの手続きがメール対応だったので、やり取りにとても時間が掛かったことや、1年家を空けるためのハウス&ペットシッター探し、それから、大掃除にクリスマスの準備…バタバタでした。

「退学でいいのね?」「あっはい、OKです」

こんな、あっさりと電話一本で決まりました(笑)

もう、日本に行くしかありません。

続く