ニュージーランド オンラインホームスクール | ニュージーランドで遊暮働学はじめました。

【ニュージーランド家族】オンラインホームスクール 体験記2

ホームスクール

ニュージーランドから「遊・暮・働・学」を共有します、パーマカルチャリストのまりこです!

前回のあらすじ:
高校生の娘が「学校に行きたくない」と言いはじめ、ホームスクールの可能性を模索。
海外でもオンラインで受講ができると知った私たちは、7年間帰国できなかった日本に行くことを決めました。それには、娘が通っている現地の高校を退学する必要がありました。学年度末の最終日、娘が帰宅すると学校から一本の電話が…
☟前回の記事を読んでいない人は、こちら
電話口で、「お母さんいいのですか?娘さんの将来が掛かっているんですよ?」
などと、先生に引き止められもせず、あっけなく娘の退学手続き終了。

慌てて校長先生宛にお詫びのメールをしたものの、返事は返ってきませんでした…

1年後、無事に学校に戻って来られるかな?

※ニュージーランドでは、5歳〜16歳まで義務教育です。

旅をしながらの学習

私たちは旅をして周っていたので、オンラインスクールのためにネットの確保を常に念頭において移動するのが大変でした。

多くの県営キャンプ場は、森や自然に囲またログハウスが魅力的。お値段がお手頃なのでぜひ利用したかったのですが、ネットが設備されていないところばかり。今の時代、ネット予約、SNS拡散が大事ですよーーーー

それから、授業によっては道具を用意する必要があったり、そういうものは、残念ながら参加を断念しなければなりませんでした。

我が家は、勉強の時間は午前中の2時間と決めて、午後は街の観光などをしていました。土日は学校がお休みなので、我が家も勉強はお休みです。

現地校と比べると勉強時間が足りないとはいえ、せっかく旅行を楽しむために日本に来たのですから、土日に遅れた課題をやらせるということはしませんでした。

実際に体験して経験を積むことが、学校で知識を学ぶよりも大事なことです。

ニュージーランド ホームスクール Te Kuraとは?

ニュージーランド政府が運営する公式の通信制学校(Correspondence School)
正式名称はTe Aho o Te Kura Pounamu(マオリ語で「緑の石の糸」=学びの道をつなぐ象徴)
ニュージーランド国内用と、海外用と申し込み方法が変わります。
私たちは、海外用を受講したので、こちらをレポートしたいと思います。

小学生の場合

    • Google Classroomでスケジュール管理
    • 教育系ウェブサイト、(子供が飽きない工夫がされている)

    • 教育系Webサイトから、毎日の子供達の学習頻度が先生に伝わる

    • Zoomなどで先生とのミーティング(月1、2回)

    • 生徒間はGoogle Classroomのチャット機能で交流が深まる

    • 週1で課題提出 (先生が用意したGoogle スライド)

    • 学期末にテスト、レポートあり (NZの基準で定められたテスト)
    • 時差や海外の現地校に通っていても、自分のペースで学べる

「オンラインで海外でも受講できる」というコンセプトは素晴らしいですが、それぞれの国の規則を学校が認識しているわけではないので、その国に合わせた方法を自分で調べる必要があります。

そして、なによりも親がITに強くなければ、受講は難しいかもしれません。

小学生の子供がPC操作を1人ですることは難しいので、親がつきっきりで管理する必要があります。先生もシステムをよく理解しておらず、操作に戸惑うことも多かったです。(こういうところが、ニュージーランドです。)

また、オンラインで話すことに慣れていないうちの娘は、先生やクラスに馴染むのに時間が掛かりました。(担任の先生はちゃんと子供の気持ちに寄り添ってくれました。)

子供達は、いろんな国の子がいました。時差に合わせてアジア、パシフィック辺りの子が一緒のクラスになっていたかと思います。

授業は、オンライン教材を使って、個人でも進められるように設計されています。
娘が受けていた授業はこれ☞ (算数)MathBuddy (英語)Reading Plus

カラフルで、子供が飽きない様な工夫がされていて、内容もわかりやすい!
(娘は全然分からないと言ってましたが)

ニュージーランド独自のマオリ系のプログラムや、理系のクイズ形式になっている動画なども面白かったです。(誰でもアクセスできるといいのですが。探せませんでした。)

その他、先生が用意してくれる課題があり、2週間ごとに提出します。(物語を書いたり、テーマに沿って絵を書いたり)

親の私の方が小学校の学び直しをやっているようで、楽しく授業を受けていたのですが、娘の方はイヤイヤ取り組んでいました。(爆)

小学生の授業は、GoogleClassroomを使って課題をチェックしたり、提出したり、クラスの子達の進捗を共有したり、コメントを書いたりなどして、担任の先生や子供達同士の交友を深めていました。

それから、月2回のオンラインミーティングや、クラスのみんなとゲームやクイズをしたりもしていました。

基本的に、自分の時間で学習を進めるのですが、常に親が時間を管理してあげる必要がありました。このぐらいの歳の子は、親が監視していない間に、気づいたらYouTubeを見ている…なんてなりかねません。(いや、高校生でもおなじ)

子供が2人、3人となると、親の負担も増えます…

高校生(NCEA Level1)の場合

  • 様々な科目から、6つ選択することができる
  • 自主学習なので内容を理解するのが難しい
  • 試験を受けるための学習内容になっているので基礎を知らないと難しい
  • Te Kuraが用意した独自のWeb教材
  • 試験を受けるとクレジット(単科)がもらえる
  • 完全に自分のペース(やらなければ完全に置いていかれる)
  • ミーティングが週1程度、科目別に行われる。(アーカイブあり)
  • ライブミーティングで、質疑応答ができる
  • 生徒同士で仲良くなる場は用意されていない

高校生は、小学校とは違い、内容がかなり難しいです。

現地校では、生徒のレベルに合わせてクラスが決まっていることもあり、先生も注意してみてくださりますが、TeKuraでは年齢別でみんなが同じものをやるので、課題を開いてもまずわからない….難しすぎて、親も教えられません。子供が自力で勉強することはとてもハードでした。

また、小学校では、Googleなど比較的分かりやすいツールを使いましたが、高校生はTeKura独自のシステムだったので、操作に慣れるまでもが大変でした。

NCEAについて

NCEAとは、全国で行われる期末試験です。その試験に合格することで、次年度で受けられる選択科目のレベルが変わります。テストの成績が芳しくないと、自分が受けたい選択科目を受けたくても受けられないことになります。

この年齢は、だんだんと自分は何をしたいかを考える時期です。娘は最初にアートや写真といった自分の好きな科目を選んだものの、1人で勉強するにはどれも難しすぎました。

ニュージーランドの高校では、専門的なことを深く学ぶことができます。個人の才能を伸ばして評価されるので、国だけにとどまらず海外に渡って飛躍する生徒も居る程です。(逆に、やる気がないと、先生は何も構ってくれません。)

結局、ホームスクールを自ら選択した娘でしたが、自主学習の難しさを体感して、モチベーションはガタ落ち….色々と衝突したり、先生と相談してクラスを替えていただいたり、なんとか英語と算数(のどれか)だけ取り組むことにしました。

よりによって、この年のNCEAから規則が変わり、切り替えのお試し期間ということで、先生方の方でもてんやわんやでした。

なんでも見切り発信で、やりながらルールを変えていくのがニュージーランド、スピーディーです。

とんでもない要求

それ以上に大変だったのが、「NCEAの試験官と、それを証明してくれる人」の2人を、自分で探すように言われたこと。

「証明してくれる人」は、「家族以外」「先生や医者、弁護士などタイトルがある人、スポーツコーチなど」という難しい注文がありました。

 

そんな知り合いなんて、いるわけないでしょう!💢

Webサイトには、試験官は学校が派遣してくれるという記述があるのですが、結局は、自分たちで探すことを要求されてしまいました。

とりあえず、思いつくのはニュージーランド大使館しかありません。

すると、

できません

ええぇぇぇぇ!!??

なんてことでしょう。頼みのニュージーランド大使館に断られてしまいました。

私たち日本組だけではなく、他の国の子供達もお手上げの様子でした。

続く

たまには、海の見える宿のコーワキングスペースでホームスクール。なんて優雅な〜 勉強にはなりませんでしたけどね。