ニュージーランド式パーマカルチャー
自然豊かで「DIY(Do It Yourself = 自分でやる)」文化がニュージーランドでは根付いています。
その背景には、世界から離れた小さな島国ならではの歴史があります。
かつてのヨーロッパからの移民たちは、遠く離れた孤島ニュージーランドで新しい暮らしを始めました。
物が壊れても、本国から部品を取り寄せるには長い時間がかかります。
「それなら、自分で作ったほうが早い!」
そんな不便さが、逆に工夫と創造力を育み、DIY精神が生まれました。
また、ヨーロッパからの文化と、先住民マオリ族が大切にしてきた『自然をリスペクトし、自然と共に生きる』心が出会い、ニュージーランド独自のパーマカルチャーの形が生まれました。
それは今もなお、人々の暮らしに深く根づき、受け継がれています。
パーマカルチャーとは?
1970年代、ニュージーランドのお隣・オーストラリアのタスマニア大学で教えていたビル・モリソンと、その生徒デビッド・ホルムグレンによって提唱されたのが「パーマカルチャー」です。
言葉の由来は、
Permanent(永久的な) + Agriculture(農業)
もともとは、「持続可能な農業」という意味でした。
やがて彼らは、農業を本当に持続可能にするためには、
伝統的な農法や暮らしの知恵、人と自然との関係性が欠かせないと気づきます。
こうしてパーマカルチャーには Culture(文化) という側面も加わり、農業にとどまらない概念へと発展しました。
近年は、パーマカルチャーは「暮らし全体のデザイン」へと進化し、
自然環境と人間社会を調和させるための設計図と考えられています。
この設計図は1つの正解ではなく、人それぞれの環境や価値観に合わせて描くものです。
小さな庭づくり、地域との助け合い、エネルギーの使い方、食の選び方…
そのすべてを自分なりにデザインすることで、地球にも自分にも優しい暮らしが始まります。
循環
パーマカルチャーを学び、実践し、そして周りと共有することで、その輪は少しずつ広がっていきます。
やがて、その広がった輪は、めぐりめぐって自分のもとに返ってきます。
幸せが循環する――これがパーマカルチャーの根底にある思想です。
そしてその輪は、人間社会の中だけでなく、虫も動物も植物も、地球上すべての生命とつながっています。
五感で自然とつながる
循環を感じる第一歩は、自然と自分をつなぐことです。
忙しい毎日で、私たちは本来持っている五感を忘れがちです。これらを、少しだけ意識した毎日を送ってみましょう。
- 視覚(見る)
-
聴覚(聴く)
-
嗅覚(嗅ぐ)
-
味覚(味わう)
-
触覚(肌で感じる)
風の匂い、土の手ざわり、鳥のさえずり、野菜や果物の味――そんな小さな気づきが、自分の中に眠っていた感覚を静かに呼び覚まします。
自分に素直になればなるほど、パーマカルチャーは特別なものではなく、日常の延長にあることに気づくはずです。
パーマカルチャー3つの倫理
パーマカルチャーの基盤には、次の3つの倫理があります。
Earth Care(地球への配慮) — 地球に優しく
People Care(人への配慮) — 人に優しく
Fair Share(余剰の共有) — 分かち合う
その中でも、世界中でパーマカルチャーが愛されている理由が–
Fair Share(余剰の共有) — 分かち合う
Fair Share とは、次のような考え方です。
-
収穫物をすべて自分のものにせず、余った分は周りに分け与える。
-
自分が幸せに満ちたら、周りの困っている人に手を貸す。
つまり、Fair(公平な)をShare(共有)という意味です。
暮らしに取り入れる12の原則
パーマカルチャーの12の原則は、一見すると抽象的で理解が難しいかもしれません。
けれども、実際に行動してみることで、その意味は少しずつ体感できます。
Observe and Interact
まずは自然をよく観察し、五感を使って環境と対話しながら学ぶ
Catch and Store Energy
太陽、風、水など、自然のエネルギーをうまく捉え、活かす
Obtain a Yield
努力の成果を実感し、持続可能な仕組みの中で得られる恵みに感謝する
Apply Self-Regulation and Accept Feedback
自分の行動を振り返り、環境や社会からの時には辛い批評や結果も受け入れる
Use and Value Renewable Resources and Services
森や川、風の流れなど、自然のリズムを活かしながら暮らしに取り入れる
Produce No Waste
ゴミを「不要なもの」ではなく「資源」と考え、無駄をなくす工夫をする
Design from Patterns to Details
大きな目標のためには、小さな部分にも詳細に理解する
Integrate Rather Than Segregate
単独で機能させるのではなく、異なる要素を組み合わせて相乗効果を生み出す
Use Small and Slow Solutions
急がず、少しずつの積み重ねが持続可能な成長につながる
Use and Value Diversity
さまざまな環境や視点を取り入れ、豊かで多様な関係性を築く
Use Edges and Value the Marginal
一般的に見過ごされがちな場所や資源にも目を向け活用する
Creatively Use and Respond to Change
環境や状況の変化を前向きに受け止め、新しいアイデアで適応する
この原則は1〜12と番号が振られていますが、順番に終わるのではなく、12から再び1に戻る「輪」になっています。
さらに、どの原則も互いにリンクし合い、暮らしの中で支え合っています。
最初からすべてを取り入れなくても構いません。
まずは 「1. 観察し対話する」 から始め、自分に合う原則を少しずつ暮らしに加えていきましょう。
やがて12すべてが、あなたの生活の中で自然に息づくようになります。
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