今回のブログは、ニュージーランドのゴミ事情についてリクエストがありましたので、
私たちが日本横断で1番の問題だった「ゴミ問題」と共に回答します。

リクエスト
ありがとうございます!
7年ぶりの帰国で感じたこと
2024年、家族で日本横断をした私たち。7年ぶりの帰国で日本の変化を肌で感じてきました。
コロナ禍、不遇の東京オリンピックが過ぎ、少し落ち着きを取り戻した日本。しかし、以前の様な華やかさはなく、何かが違う。
1つは、円安の影響で海外からの観光客が押し寄せ、オーバーツーリズムの問題が深刻化。一般市民の公共交通機関が混雑し、観光地では住民のプライバシーが脅かされ、生活が困難になっていました。
一方で、日本人の多くは今も公共の場でマスクを着用し、声をひそめて会話をしています。平日は仕事や学校があるので、日本人の姿が少なく、外国人ばかり!まるで外国のような光景に驚きました。
ファミレスでは、メニューはパネルでオーダー、ロボットが配膳して、お精算機でセルフサービス。ほとんど店員さんの姿は見られません。居酒屋ですら、以前の様な活気のある掛け声はなく、コソコソっと料理を置いていく。
便利さ、衛生管理、人件コスト削減、人のふれあいが感じられない、異様さを感じました。
ゴミ箱がない?
旅行中で特に困ったのが、公共のゴミ箱の少なさです。観光地はほとんど皆無。駅や公共施設にもゴミ箱はありません。住民税って、こういうところにも使われるはずだけどな。
唯一見つけられたのが、道の駅とコンビニ内。
ゴミ箱がないために、街は一見綺麗に見えます。
でも、海岸に行けば大量のゴミが打ち上げられていると言う現実。
この大量のゴミたちは、私が子供のころから少しずつ、数十年にわたって蓄積されてしまったのでしょう。
自然に還らない材質、便利さ、低コストを求めて開発されたプラスチックの残骸。
海外からの漂流ゴミも大問題です。😞
そして、海の周りは高い津波防波堤が続き、子供の目の高さでは海が見えないところもたくさんありました。
その壁を覗くと、やっぱりゴミだらけなのです。壁が目隠しになり、ゴミを気にしなくても良い状態。
防潮堤を覗き込むと?
長く続く防潮堤、もはや人は海に近づけない
海辺の街なのに、海が見えないで育つ子供たち。大きくなって、よじ登って見えた壁の向こうはゴミだらけ。
海を感じられないから、海の恩恵も、逆に波の怖さも分からないのではないでしょうか。
先日、私たちは地域のビーチクリーニングで清掃活動をしてきました。市民団体が集まれば1日でだいぶ綺麗になるほどのゴミの量です。(とは言え、タイヤやビール瓶が多く、重量にすると3トンと言っていましたが。)
しかし、日本の海は、市民団体の清掃活動だけではとても追いつかない現状なのではないでしょうか。
また、食べ歩き文化にも変化が。今は、観光地によっては食べながら歩くことが禁止されている場所もあり、食べ物を買っても捨てる場所がないため、自宅や宿泊先までゴミを持ち帰る必要があります。
宿泊したゲストハウスでも、ゴミの分別に困りました。料理で出た野菜の切れ端なども「一般ゴミ」として捨てる必要がありました。
あぁ、家に居たら、コンポストにできるのに…
ニュージーランドとの違い
ニュージーランドでは、生ごみはコンポストに入れ、畑に還元したり、飼っている鶏に与えたりする住民は多いです。
ホリデーパーク(キャンプ場)では、ミミズコンポストや生ごみ専用の堆肥システムが設置されていることも多く、環境に配慮した仕組みが整っています。
また、イベント会場でも、分別式のゴミ箱が設置されています。
ヒッピーのイベントでもリサイクル
この背景には、ニュージーランドのゴミ処理情があります。
ニュージーランドは、基本的に回収したゴミをそのまま圧縮して埋立てします。
以前は、中国にリサイクル資源を送っていましたが、現在は受け入れを拒否されたため、自国でのリサイクル体制を強化しています。透明のトレーは、ペットボトルと同じ資材のPETに代わり、自然に還る素材、再生可能なプラスチックを使用するように変わってきています。
例えば、卵のトレーもプラスチックから紙に、電化製品の梱包材も発泡スチロールから段ボール製のクッションに変更されました。テイクアウトのコーヒーは、マイボトルを持参する人も見受けられます。
日本から輸入されるお菓子などのパッケージも、リサイクルができるPET(1)と英語表記に改善されたり、私たち日本人がこよなく愛する納豆は、発泡スチロールのトレーでは輸入ができず、リサイクル可能な紙製のものに限定されています。

手作り納豆にもチャレンジしたいです!
まとめ
日本のゴミ処理は焼却が基本で、リサイクル意識が比較的低いことに対して、ニュージーランドでは埋立処理の制約があるため、政府の対応と、私たち一人一人がゴミ削減とリサイクルの意識が高まっています。
パーマカルチャーの創設者であるビル•モリソンの言葉で、「Problem is the solution」「問題は見方を変えれば解決策になり得る」という言葉があります。
「ゴミが多いのは問題だ」 → 「ゴミを資源として活用する仕組みを作れば、持続可能な社会につながる」
という視点に転換できますね。
次回は、ニュージーランドのゴミ事情をさらに深掘りし、私たちの住むワンガヌイの取り組みについても紹介したいと思います。