ニュージーランドから「遊・暮・働・学」を共有します、パーマカルチャリストのまりこです!
今回は、私がずっと疑問だった「リサイクルの回収後は、どこでどう処理されて再生されるのか?」を、ごみの専門家Kateに質問してみました。
その前に、前回の記事をまだ読んでいない人は☟こちらからどうぞ。
リサイクル2025 in ワンガヌイ市
ワンガヌイ市は、今年2025年から自治体によるリサイクルの回収が始まりました。
この様に、3つの箱に分別します。
- ダンボール、雑紙
- プラスチック(No.1、2、5)、アルミ缶、スチール缶
- グラスボトル、瓶
回収担当者さんと運転手さんもトラックから降りて、2人で手分けして、地面に置いてある容器を持ち上げて自分の頭の上ほどにある小窓にプラスチックを入れています。
一軒一軒のお家を回るので、それはそれは大変な作業です。
特に、雨、強風の日を想像してみてください。(このあたりは海に近いので、風が強いです。)
….。
なんで、こんな作業効率の悪いトラックの仕様になったのだか…
担当者さんには、感謝しかありません。
しかし、業者さんの頑張りと市民の協力により、ワンガヌイ市のリサイクル回収は、100%次の工程に移行できるほどに、しっかり分別と洗浄ができているそうです。
リサイクルとして回収されても、汚れがひどいものは、廃棄になってしまいます。
ニュージーランドの大都会オークランド市では、30%がゴミになるそうです。
今まで自分たちでリサイクルできたのに、なぜ?
ワンガヌイ市の一般ゴミ回収は、ニュージーランドでは珍しく、行政の管轄ではありません。
個人が民間業者と契約する必要があります。(我が家は月1,000円ほど払っています。)
昨年までは、リサイクル資材は自分たちでリサイクルセンターに持っていく必要がありました。
(今年から行政の回収が始まりました)
この後ろの建物には、捨ててしまうような資材を集めて、市民が使いたい時に使う倉庫の様な役割を担う建物がありました。(今は移動しました。)
それが、ワンガヌイ サステナブル ハブ。
自分たちで分別をしていたことで、
「汚いものを触りたくない」→「きれいにゆすぐ」→「分別がラクになる」
という習慣が身についていました。
その習慣が、ワンガヌイ市のリサイクル率100%につながっているのだと思います。

リサイクルセンター、一つ一つ分別して窓口にぽいっと投げます。

窓口の裏側は、こうなっています。
忙しい毎日、リサイクルセンターの問題点
しかし、問題点もありました。
お年寄りや車がない人は、センターまで持っていくことができません。
話によると昔は、地域でお年寄りの世話を見る習慣があり、隣近所の人がゴミの回収も手伝ってくれていました。コミュニティーの見回り隊もあったのだそうです。
今は、若い家族は都会に引っ越したり、個人がバラバラに住んでいます。
若い人が忙しいことを危惧して、お年寄りが若者に頼るとも躊躇するという話を聞きました。
日本の状況と似ていますね。
何十年も変わらない風景だった片田舎のワンガヌイ市でも、ここ数年で都市開発が進んでいます。
私たちの手から離れたごみ、その後どうなるの?
ごみの専門家Kateに、私の疑問を質問してみました。

分別されずに資材が混在してしまったら、どうするの?

気づいたら手作業で分別することもあるけど、手間が掛かるわよね。

ペットボトルのフタは、なんでリサイクルできないの?

それね!大きな機会でボトルを圧縮する時に、フタが鉄砲の球のように飛びまくるのよ!! あぶないのよ〜

ちなみに、フタを集めてリサイクルセンターに持っていけば回収できるわよ。

回収されたものは、結局どうなるの?

プラスチックは地元周辺の再生施設、ダンボールやガラスはオークランドへ。
アルミやスチールは回収量が足りないから、海外で高いレートで買ってもらうよ。だから、道端に捨てちゃダメよ!お金になるから!
なんと、アルミや鉄は、ニュージーランドではなく、海外に渡っているそうです。

うちはコンポストやリサイクルするから、
ごみは、お菓子の包装袋ばかりなんだよね。

ソフトプラスチックは、リサイクルセンターやスーパーマーケットで回収できるわよ!工事現場のパイプなどに再生されるから、捨てないでね!

ポテトチップスの袋も再生されるのね!
これからは、きれいに拭いてリサイクルにしまーす!
今後の課題
ニュージーランド、ワンガヌイ市のリサイクル事情でした。いかがでしたか?
今は、自治体の回収が始まったばかりなので、市民も協力的で100%の再生を達成していますが、
それでも、なぜか大きいゴミ箱を使用している家庭が多い印象です。
我が家は、2週間で80Lがいっぱいにならないぐらいです。
(追記:2025年8月現在、ソフトプラスチック回収のおかげで、月1にまで減りました。)
Kateも話していましたが、ゴミ問題に関心のない人に教育することが、今後も課題のようです。